厳しい湿度管理も過酷な環境の再現も。顧客の要望に、設計として応えてゆく。

山﨑 麻衣 2007年入社
大学では化学工学を専攻。異分野への挑戦となったが、先輩社員がサポート役を担うエルダー制度や、現場での気配りなど、周囲の厚いサポートを受けて大きく成長できたと考えている。現在は設計の現場で日々の業務に情熱を注ぎ、特許出願の案件にも携わっている。

メーカーの先端技術、社会の課題に、空調技術で応えていく。

最初はメーカーの研究職を希望していたものの、ひとりで孤独に研究に没頭するよりも、みんなで協力して仕事をしたい。そんな思いで、設計職を希望して高砂熱学に入社しました。最初に配属されたのは施工管理。建物をつくるってかっこいいと思っていたものの、実際にやってみるとわからないことばかりでした。建築用語はもちろん、工事の工程管理やどの段階でどの資材が必要になるかなど、1年目は勉強しながら働いている感じでしたね。それに、当初はコミュニケーションにも気を使いました。現場では、工事を担当する大勢の方と一緒にひとつの仕事を完成させなければいけません。自分の父親ほど年齢の離れた方がいる中で、私が気を付けていたことは、とても当たり前のこと。挨拶を欠かさないことや、相手の仕事を把握しこまめな報告を欠かさないことなど、社会人として最低限の礼儀を忘れなければ、ちゃんとひとりの仕事仲間として認めてもらえます。わからなくても、「見とけ。こうやるんや」といった感じで助けられることも多かったです。叱られることもありましたが、面倒見の良い方に囲まれて仕事をした経験が、今、設計担当としてお客様とともに空調環境をつくりだす上での基礎になっている。そんな風に思っています。

ビルの運転状況を瞬時に把握し省エネルギー化を促すシステム。

設計に配属されたのは、2年目の秋。ここでも最初は、お客様の企業について学んだり、設計の資料を読んだりと、学ぶことの多い毎日でした。そんな設計の仕事でも、基本はやはりコミュニケーションです。空調設備設計の提案では、製造工場のコスト削減であったり、より快適なオフィス環境をつくるための改善提案が多いですが、しっかりとコミュニケーションが取れていないと、肝心なところですれ違いが生じてしまいます。せっかくの提案を受け入れてもらえないことも生じる。そこで、お客様がその空間をどのように使用しているのか、あるいはこれからどのように使用したいのかを洗い出し、咀嚼して、最適な回答を導き出す。そのためには図面づくりや提案の前提となる、お客様との対話が何よりも重要です。ご要望を十分に理解できた上ではじめて、有効に使われていないスペースにより消費効率の高い熱源設備の設置をおすすめしたり、自社で研究している最新システムを紹介したりなど、幅広い提案が可能になるのです。

私たちの技術で、いつかビルの価値さえ変えていける。

現在、私は主にメーカーの工場などの、産業空調の案件に多く携わっています。製品を製造する現場では、オフィスに比べてお客様の求める基準が高いだけに、仕事の難しさを感じます。しかし、だからこそ面白い。1℃温度が違えば、素材に影響が出てラインの稼働に問題が生じてしまうこともあります。また、一般的な部屋よりもさらに低露点の湿度環境を実現する「ドライルーム®」が必要な工場や、屋外を再現するために、世界中の温度環境を再現する実験室の仕事もありました。設計として提案をする際には、その工場の図面を把握することはもちろん、製造工程や製品のことまで、徹底的に調べ上げます。すべての製造設備に詳しいわけではないので、新しいお客様に出会うたびにまた一から勉強の繰り返しです。しかし様々な業種に関わって、今まで知らなかった知識に出会えるのは、この仕事ならではの楽しみだと思います。関わった案件でいうとリチウムイオン電池のことはずいぶん詳しくなりましたし、さまざまなエンジンに関わる仕事も経験したので、それぞれのエンジン開発に必要な空調環境など、幅広い知識が身に付きました。毎日が勉強で、これまでにもいろいろな知識を身に付けたつもりですが、尊敬する先輩の仕事を見ると、まだまだなんだと実感します。発想力もすごいし、アイデアを出すスピードも敵わない。でも、わからないことを日々学んで、地道にお客様と対話を重ねて仕事をしていくこと。一つひとつの仕事を着実に経験として吸収していくことで、もっと面白い仕事ができる、もっと新しい何かがつくりだせる。ここなら、それができると感じています。

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