ヒュームフード向け
給排気管理システム
i-Fume™mini
(アイ・フューム・ミニ)
i-Fume™ miniは、ヒュームフード(ドラフトチャンバ)
を扱う研究施設向けの給排気管理システムです。
医薬・合成化学分野の研究施設では、有害物質を安全に扱うためにヒュームフード(ドラフトチャンバ)が用いられます。安全の観点から、ヒュームフードのサッシの開口部の面風速は法令(有機溶剤中毒予防規則、特定化学物質障害予防規則など)によって定められています。ヒュームフードの排気は有害物質や臭気を含むため、循環されることなく、全量が排気されます。そのため、換気に必要な空気は全量給気となり、一般的な施設と比較して多くの空調エネルギーを必要とします。そこで、ヒュームフードの使用状況(サッシの開度など)に合わせて排気風量を制御する空調方式が省エネルギーのために非常に有効となります。
特許 第6430315号、特許 第6430316号、
特許 第6668411号、特許 第6683426号、
特許 第6787733号、特許 第6849170号
(高速VAV関連の特許)
特長
- 従来の定風量方式に対して、約70%の省エネルギーを達成
- 高速での風量制御により、省エネルギーかつ安全なヒュームフードの作業環境を提供
- 排気量だけでなく、給気量も速やかに整え、無駄な外気の流入を防止
- パッケージ型システムのため、運用に合わせたシステムの設定変更が容易
システム概要
i-Fume™ miniは、ヒュームフードなどの実験什器・機器の使用状況に合わせて実験排気の風量を制御する局所排気、部屋の最低換気量を保持するための排気、部屋のエアバランスを整える給気の3つの給排気系統から構成されます。それぞれの風量は、高速VAVと呼ばれる風量制御装置によって稼働状況に合わせて速やかに風量が制御され、安全かつ省エネルギーな実験環境を提供します。
風量制御の高速性と安全性
ヒュームフードの使用状況に合わせて風量を制御することは空調エネルギーの削減に有効ですが、その風量制御の応答性が安全を確保するために重要となります。風量制御の応答性が低いと、ヒュームフードのサッシを開いた際に開口面風速が大きく低下し、フード内で発生した有害ガスが逆流して作業者へのばく露が生じてしまいます。
ヒュームフードのサッシを開いた直後のフード内ガスの挙動

-i-Fume™ miniの高速VAVの場合-

-一般の温調用のVAVの場合-
ヒュームフードの安全管理
サッシを通常の使用域より大きく開いたり、設備トラブルなどにより排気風量が不足したときは、警報ランプやモニタで表示することができます。ただし、稼働率管理により設備容量を低減する場合は、労働基準監督署の許可が必要です。
省エネルギー
従来の一定風量でヒュームフードの排気をする方式と比較して、ヒュームフードの使用状況に合わせて排気量を可変制御させて運用した場合、外気処理と空気搬送動力を合わせると、約70%の使用エネルギー量の削減につながります。
試算条件
外気条件 | 東京地区 |
---|---|
室内条件 | 24℃ 50%RH |
運用条件 | 6:00~18:00 通常稼働 18:00~6:00 設備停止 |
年間稼働日数 | 248日 |
送風機効率 | 0.6 |
送風機吐出/吸込圧力 | 給気 300 Pa 排気 500 Pa |
ヒュームフードの設定風量 | 有効開口 1,600W×400H (全閉:50H ) 制御風量 全開 1,160 m3/h 全閉 150 m3/h (開口面風速 0.5 m/s) (VAV方式の場合:従来方式は常時全開時の風量) |
- 運用上、サッシを全開にしておく必要のある時間を稼働時間の20%と仮定

パッケージ型システムによるシステム構築
本システムはパッケージ型のシステムのため、管理インタフェースより運用に合わせてシステムの設定や変更を容易に行うことができます。
関連リンク
プレスリリース「ヒュームフード向け「i-Fume mini」と「角型高速 VAV」を開発」(2017年6月13日付)(1.2MB)