Menu

TCFDに関する取り組みと
情報開示

気候変動問題を最重要課題の一つと捉え、経営戦略に取り入れ気候変動対策を推進します。

当社グループは2021年3月に、SBTiより、温室効果ガス排出削減目標において、2030年WB2℃目標※1での認定を取得しましたが、中期経営計画2026においては、その削減目標を1.5℃水準※2に引き上げました。これに伴い2024年6月、SBTiより、1.5℃目標へのアップデートおよび2050年ネットゼロ目標の認定を取得しております。
当社グループでは、カーボンニュートラルおよびネットゼロ社会の実現に向け、環境クリエイター®としての様々な対策により、対外的にコミットした目標を達成してまいります。
このような取り組みについては、これまで当報告において進捗を開示しており、今後SSBJ基準を参考に、順次、充実を図ってまいります。

  1. 年率2.5%削減目標
  2. 年率4.2%削減目標

TCFD TASK FORCE ON CLIMATE-RELATED FINANCIAL DISCLOSURES

ガバナンス

当社では、気候関連課題への取り組みを、2023年度に策定したパーパス2040年に向けた長期ビジョン、そのファーストステップとなる中期経営計画2026で掲げた戦略に結び付け、より事業目線で課題解決を推進する観点から新たにサステナビリティ推進委員会を2024年4月に創設しました。
サステナビリティ推進委員会では、当社グループのマテリアリティとして特定されたサステナビリティ課題の解決が中長期的な企業価値の向上に結び付くものとして、そのプロセスと財務影響イメージの明確化を図ります。本部長・部長クラスがグループ全体での中長期的ゴールや足元の実施策などを協議の上、経営会議および取締役会に上程・報告する体制へ移行しました。
2024年度は7回サステナビリティ推進委員会を開催し、主に気候関連課題の解決に向けたテーマについて議論を行い、経営会議等を通じて、2025年度の経営計画に組み込みました。

取締役会への上程・報告、指示フロー図

2024年度実績

開催回 主な議題 内容
第1回 課題と取り組み方針共有 サステナビリティ領域の目標達成と企業価値向上に資する戦略の具体化
第2回 CO2排出量結果と予測 2023年度CO2排出量結果共有とSBT目標達成に向けたアクションプラン策定
第3回 スコープ3削減計画 事業活動における削減策の具体化と開示
第4回 TCFD開示内容の審議 経営会議上程に向けたTCFD開示内容の執行側審議
第5回 スコープ1.2削減計画 スコープ1.2を削減するための活動方針とカーボンオフセット活用の是非
第6回 削減貢献の活動検討 事業活動によるCO₂排出削減貢献の活動内容と妥当性の評価
第7回 活動役割・責任の明確化 スコープ1.2.3.削減貢献の活動に関する組織体制の立案、店別目標設定の検討

2025年度予定

会議体 構成員 審議の頻度 役割
取締役会 取締役 年4回
  • 経営・執行の監督を行う
  • 気候関連課題に関する重要事項を監督し、必要に応じて指示を行う
経営会議 取締役・本支店長 年4回
  • 経営執行に関する最高決定会議
  • 気候関連課題の解決に関する決議
サステナビリティ推進委員会 本社部長
本支店長 他
年8回うち
気候関連は4回
  • 気候関連課題に関する重要事項の審議、気候関連課題の解決に係る決議
  • 経営会議への上程・報告
全社リスク管理委員会 本社部長
本支店長 他
年5回
  • 事業全体のリスクを「重点管理リスク」「重要管理リスク」「その他管理リスク」に識別・評価し、コントロール
  • サステナビリティ推進委員会から連携された気候関連リスクを事業全体のリスクのひとつとして認識し、リスク全般を統合管理

戦略

抽出したリスク・機会項目の潜在的な事業影響評価と対応策は以下のとおりです。なお、対応策の策定にあたっては、生物多様性への悪影響などを考慮に入れて検討を行っています。

気候関連リスク(移行リスク)の事業影響と対応策

種類 リスク 事業影響※1
1.5℃
シナリオ
時期※2 対策概要
政策・規制 炭素税導入に伴う
運用コストの増加
中期
  1. 再エネ電力の活用
    • 全現場事務所への再エネ電力導入、テナントオーナーへの働きかけ
    • T-Base®でのコーポレートPPA契約の導入
  2. 再エネ発電設備等の設置
    • イノベーションセンターでの再エネ発電・蓄電池設備の設置
  3. 低炭素車両の活用
    • HV(ハイブリッド)車両での採用とEV車両の計画的導入
    • 当社の調達基本方針に基づきサプライチェーンへ上記を働きかけ
炭素税導入に伴う
調達コスト増加
中期
  1. グリーン調達(低炭素資機材の調達)やトップランナー製品(高効率製品)の継続的な採用
  2. 継続的なサプライヤーエンゲージメントの実施
技術 省エネ関連の技術開発の遅れによる受注減少(既存分野) 短~中期
  1. 省エネ提案等を通じたステークホルダーニーズの的確な把握
  2. 研究開発部門、プロフィット部門を含む全社での開発の推進
脱炭素関連技術・サービスの開発遅延・投資コスト増加および脱炭素関連の市場ニーズへの対応が不十分であることに伴う収益機会の損失(新規分野) 中~長期
  1. 顧客の動向、競合状態等を踏まえたビジネスモデル構築
    • 地域内でエネルギー供給するマイクログリッドシステムの構築
  2. 上記を踏まえた研究開発の推進、ビジネスパートナーとの協働
    • 大型水電解水素製造機器、エネルギーマネジメントシステム等の開発および実装
評判 気候関連課題への対応および開示情報が不十分であることに伴う企業価値の低下 中期
  1. 気候変動対応イニシアティブへの参画
  2. 統合報告書や当社WEBサイト等での積極的な発信

気候関連機会の事業影響と対応策

種類 機会 事業影響※1 時期※2 対策概要
資源の効率 施工プロセスの変革による操業コストの減少と生産力向上 中~長期
  1. T-Base®の普及・促進
  2. BIM等の普及
製品および
サービス
省エネ推進政策・規制の進展による、企業の設備更新ニーズの増加に伴う収益機会増加 中~長期
  1. 顧客への情報提供を通じたニーズ把握と計画的な設備更新
  2. 当社グループ独自の設計・施工による省エネ提案
  3. 官庁・自治体等との連携
環境負荷低減に貢献する製品施工の売上増加(旋回流誘引型成層空調システム(SWIT®)やピーマック製品等)
市場 水電解水素製造装置(Hydro Creator®)をはじめグリーンエネルギー供給設備等の新技術開発・サービス投入による新市場開拓 中~長期
  1. 2026年までに5,000kW分のグリーンエネルギー供給設備の実装に向けた研究開発の推進
  2. 案件により適時適切なパートナーとの協働
グリーンボンドなどの有利な資金調達機会の創出 中~長期 上記投資に必要となる場合に活用を検討
  • グリーンボンド発行によるイノベーションセンター建設資金の調達
  • 事業影響は、財務影響額試算結果(コスト「小:〜1億円、中:1億円超〜30億円、大:30億円超」収益「小:~20億円、中:20億円超~300億円、大:300億円超」)に定性的な評価を加え、「小」「中」「大」に区分(コスト、収益の閾値「大」は東証の適時開示基準をベースに設定)
  • 短期は1年(年度経営計画と同期間)、中期は3~10年(中期経営計画と同期間)、長期は10年超(長期ビジョンと同期間)

当社グループの2050年ネットゼロ移行計画

当社グループではいずれのシナリオ下でも戦略のレジリエンスを確保する観点から、2050年ネットゼロに向けた移行計画を策定しました。リスクを適切に回避しつつビジネス機会を着実に獲得し、高砂熱学グループ長期ビジョン2040で掲げる経常利益400億円超の目標に向けて、中長期的に取り組んでまいります。

リスク管理

当社グループでは、リスクを発生可能性と影響度により3区分に分類し、全社リスク管理委員会で評価・決定しています。これらは内部統制委員会を経て取締役会でモニタリングされ、気候関連リスクも統合的に管理されています。2024年度には、労働規制対応や施工能力超過、人的資本の棄損など5つのリスクを重点管理リスクとして特定し、全社的なリスクコントロールを実施しました。気候関連リスクもこの枠組みに統合され、他の経営リスクと一体的に管理されています。

指標と目標

(1)温室効果ガス排出削減に関する指標

当社グループは、温室効果ガス排出削減率を中期経営計画のKGIとして設定し、スコープ1・2・3の削減を目指しています。SBTiの1.5℃目標認定を取得し、2024年度末にはスコープ1で47.0%、スコープ3で単体4.6%、連結1.0%の削減を達成しました。KPIとしては、2026年度までに5,000kWのグリーンエネルギー設備導入と、年間15,000t-CO2の省エネ提案・受注を掲げています。今後はEV導入、再エネ調達、低炭素資材の活用などを推進し、顧客施設の排出削減にも貢献。これらの取り組みを通じて、社会全体の温室効果ガス削減に寄与することを目指しています。

温室効果ガス排出量の実績(スコープ1・2)
(単位:t-CO2
連結
対象スコープ 2019年度 2022年度 2023年度 2024年度 対2019年度
スコープ1・2 11,961 10,727 10,490 9,032 ▲24.4%
スコープ1 4,794 5,491 4,689 3,926 ▲18.1%
スコープ2 7,167 5,236 5,801 5,105 ▲28.7%
単体
対象スコープ 2019年度 2022年度 2023年度 2024年度 対2019年度
スコープ1・2 7,582 5,295 5,339 4,013 ▲47.0%
スコープ1 3,106 2,801 2,564 1,755 ▲43.4%
スコープ2 4,476 2,494 2,775 2,258 ▲49.5%

スコープ2はマーケット基準

温室効果ガス排出量の実績(スコープ3)
(単位:t-CO2
連結
対象スコープ 2019年度 2022年度 2023年度 2024年度 対2019年度
スコープ3 6,129,555 6,294,255 7,007,529 6,064,153 ▲1.0%
単体
対象スコープ 2019年度 2022年度 2023年度 2024年度 対2019年度
スコープ3 4,874,234 4,753,188 4,892,550 4,647,493 ▲4.6%

(2)気候関連リスク・機会に関連する資産・事業

気候関連リスクに関して主要な項目となる炭素税について、今後規制強化に伴い増税されたと仮定した場合、当社の2024年度の温室効果ガス排出量を基に課税額を算出すると、約155百万円の影響が生じます。

(3)気候関連リスクに関連する投資

当社グループでは、現在の中期経営計画期間内(2023-2026)にて、全体で900億円以上の成長投資を行っていく予定としております。この成長投資は、当社グループが環境クリエイター企業としてビジネストランスフォーメーションを実現するためのものであり、気候関連リスク・機会に対応するためのものは、この成長投資枠において相当程度を占めております。

(4)インターナルカーボンプライシング

今後、気候関連の投資を検討する上で、判断の一つの尺度としてインターナルカーボンプライシングの導入を検討しております。設定価格としてはIEAが公表する将来の炭素価格等を参考に検討しております。

(5)役員報酬制度への気候関連指標の組み込み

役員報酬では、業績連動の株式報酬を決定する非財務指標として、スコープ1・2の温室効果ガスの排出削減目標を設定し、気候関連に関する社会課題解決に対する業務執行取締役の責任を明確化しております。

その他のESGへ取り組みを見る