VOCの大気放出をゼロにする
クローズドVOCリサイクルシステム
技術概要
この技術のポイント
- VOCの大気放出量を大幅に削減:乾燥炉排気を吸着処理したのちに、乾燥炉へ循環再利用するクローズドシステムにより、VOCを大気に放出しません。
- CO₂の大幅削減:非燃焼処理により、VOCの焼却によるCO₂が発生しません。
- 低沸点、高沸点溶剤に対応:溶剤の種類に応じて、最適な回収システムをご提案します。
システム概要
高沸点溶剤のリサイクルシステム
溶剤乾燥炉の排気を冷却凝縮させて溶剤を回収したのちに、更に吸着ロータ(溶剤濃縮ロータ)で吸着処理することで溶剤を無駄なく回収する、高沸点溶剤を対象にしたリサイクルシステムです。
- 濃縮ロータの再生温度を低温化
濃縮装置の最適化により、吸着ロータのロータ再生温度を従来の130℃から80℃へと低温化を達成したため、蒸気レスのシステムを実現しました。 - 省エネルギー・省CO₂ に大きく貢献
ロータ再生に乾燥炉の排熱やCOPの高いヒートポンプ温水を利用することで、加熱エネルギーを極限まで減らし、省エネルギー・省CO₂に大きく貢献します。 - 高い安全性
濃縮ロータに不燃性のゼオライトを使用しているため、発火・燃焼の恐れのある活性炭に比べて非常に安全です。
低沸点溶剤のリサイクルシステム
溶剤乾燥炉の排気を吸着ロータ(溶剤濃縮ロータ)で吸着処理し、高温の窒素ガスで超高濃度に濃縮したのちに冷却凝縮させて溶剤を回収する、低沸点溶剤を対象にしたリサイクルシステムです。
- 業界初!低沸点溶剤を対象にしたクローズドシステム
ロータで吸着処理した空気を乾燥炉の給気に循環再利用するクローズドシステムにより、VOCの大気放出量を大幅に削減します。 - 加熱・除湿エネルギーを大幅に削減
外気を使用せず、高温・低湿度の処理空気を乾燥炉の給気に再利用するため、給気の加熱・除湿エネルギーを削減します。 - 製造環境の安定化
外気を使用しないことから水分流入が抑えられるため、湿度が安定し、製品の品質も確保します。
導入事例
粘着テープメーカーである寺岡製作所の茨城工場に低沸点溶剤向けリサイクルシステムを設置し、同社と共同で実証運転を実施しました。稼働中の施設でクローズド化したシステムを実証することは、国内初の取組みです。従来の燃焼ワンパスシステムと比較して、以下の効果を確認しました。
実証環境
| 用途 | 粘着テープ製造 |
|---|---|
|
排ガス風量
|
5,000N㎥/h |
| 排ガス濃度 | 2,900ppm |
| 使用溶剤 | トルエン |
| 期間 | 2020年6月~2020年12月 |
効果
- VOC大気放出量を95%削減
- CO₂ 排出量を78%削減
- 回収した溶剤も純度99.9%以上と高品質な状態で回収
- クローズド化することにより年間を通じて低湿度の安定した製造環境を維持
- 生産品の品質はワンパスシステムと同等
受賞認定
- 第48回「環境賞」 優秀賞(2021年度)
「大気放出ゼロの揮発性有機溶剤回収システム」 - 第38回空気清浄とコンタミネーションコントロール研究大会 会長奨励賞
「クローズドVOC回収システムの実証試験」
特許情報
特許 第5600048号、特許 第5628051号、特許 第5829498号、特許 第6078237号、特許 第6463062号、特許 第6420115号、特許 第6463071号 他


