ガバナンス
知的財産マネジメント
Intellectual Property
Management
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知的財産マネジメント
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- 情報公開
知的財産に関する基本的な考え方
当社の競争優位性向上のため、知財の活用戦略の策定・遂行、経営方針に沿った研究開発戦略の策定支援を進め、特許力・エンジニアリング技術(ノウハウなどの無形資産)の両面の強化・活用を図ります。
知的財産基本方針
事業競争優位の維持向上、事業の自由度確保および事業領域の拡大に向けて知的財産の活用を図ります。
- 当社知的財産の権利取得を推進します。
- 当社知的財産であるエンジニアリングノウハウの秘匿を推進します。
- 当社知的財産の事業への活用を推進します。
- 当社知的財産の第三者侵害に対し厳正に対処します。
- 第三者の知的財産は正当な権限を得て使用します。
知財マネジメント体制
知財戦略室は、本社機構として経営企画部内に組織されている一方で、技術本部(T-Base®)や研究開発本部(高砂熱学イノベーションセンター)に知財員を駐在させる体制をとっており、中期経営計画や長期ビジョンと知財戦略の両方の観点を持って各部門と共に事業化案件に取り組んでいます。具体的には、新技術創出から市場化に至る業務プロセスにおいて、知財・無形資産の活用案やビジネスモデル案の検討、知財戦略の観点で競合分析と知財リスク回避、技術情報管理の徹底、競合を見据えた知財力強化、そして、適切な条件での契約締結などの場面で各部門に伴走して支援を行います。当該支援体制によれば、新技術を迅速に保護しかつ活用が可能となり、また、知財員との協働による各部門の知財リテラシーの向上が期待できます。今後グループ会社に対しても拡大し、高砂熱学グループ全体の持続的な成長を図っていく予定です。
知的財産戦略
ミッション戦略
高砂熱学グループ長期ビジョン2040では、当社を取り巻く社会環境に適用するため、①建設事業、②設備保守・管理事業、③カーボンニュートラル事業、④環境機器製造・販売事業の4つの事業ドメインをDXで連携し、目指す姿を実現する企業グループへ変革することを打ち出しました。その第1フェーズである中期経営計画2026において、施工プロセス変革(T-Base®プロジェクト)、水電解装置を中核としたカーボンニュートラル事業の構築、環境技術の研究開発、BIMを中核としてデジタル基盤の整備、価値創造の源泉となる人財の育成等々の施策を示しています。知財戦略室は、4つの事業ドメインを構築するための技術戦略の企画・立案と各事業ドメインを構成する部門やグループ会社との連携体制の強化に取り組むとともに、中期経営計画の種々の施策で創出される技術資産等の保護・活用を図り、当社の持続的な成長の実現に貢献することをミッションとしています。
特許力強化
エンジニアリング企業の競争優位の源泉は、他社との差別化であり、特許を用いた差別化技術の模倣抑制が最も重要な知財施策の一つです。4つの事業ドメインの各々の技術分野においてIPランドスケープを用いた分析を実施するほか、競合企業との比較に基づく当社ポジションを見える化し、戦略的に必要な特許権の質と量の目標を明確に定めます。目標を達成すべく、開発者、知財戦略室、外部機関の異なる視点から独自性を有するコア技術の抽出を行い必須特許の取得を目指すとともに、コア事業の周辺の事業に関する周辺特許も取得していくことで、強力な特許ポートフォリオを構築します。
IPランドスケープを用いた特許ポジション分析例
当社の独自技術SWIT®における特許の取得状況
エンジニアリングノウハウの秘匿
エンジニアリング企業にとって、設計・調達・施工の技術的なノウハウといった無形資産は、重要な経営資源です。エンジニアリングノウハウの秘匿化のためには、それらが生まれる現場技術員等の技術流出を防止するという意識が必要があり、適切な秘密管理と秘密保持契約締結が徹底されなければなりません。現場技術員で構成された特許連絡員による会議を定期的に開催し、日々蓄積される技術的なノウハウの流出・流用防止のための留意点を確認するとともに、特許連絡員を起点とした各拠点への知財啓蒙活動や、リーフレット配布、eラーニング等を通じた全社員向けの啓蒙活動を展開しています。
知財活用
本業系の現場生産性の向上は空調設備業界の共通課題であり、アルミフレーム工法、アルミ冷媒配管システム、現場施工管理ツール等の現場生産性向上技術に関しては、資機材メーカーやITツールベンダを介して空調設備業界への展開を積極的に進めています。現場生産性向上技術の展開に際しては、資機材メーカーやITツールベンダ、販売代理店のバリューチェーンの中の個々の企業との共存共栄を図りつつ、現場生産性向上技術の開発に要した費用の回収も図っています。展開済の技術は27テーマ、展開先企業数は延べ39社となり、費用回収額も年々増加しています。また、有用な現場ノウハウは、社内ホームページで共有する仕組みも構築しています。
知財戦略室の取り組み内容

【知財の活用戦略の策定・遂行】
- 知財力の強化施策の立案・遂行
空調設備業界での揺るぎない知財ポジション確立の基礎固め
(機会・利益の最大化とリスクヘッジ) - 独創技術の流出防止
空調設備業界で競争優位の維持・向上(高利益率への施策)
【経営方針に沿った技術戦略の策定支援】
- 知財無形資産のガバナンス遵守
高付加価値提供の基となる無形資産の見える化と変革ストーリーへの展開(深化と探索)