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国際人財 「社長と国際人財社員の
ダイアログ」
実施
Dialogue with
The President

「日ごろから考えていることを共有して経営を変えていきたい」との思いから、就任以来、さまざまな社員の中に飛び込んで、対話を重ねている小島社長。ダイバーシティ推進ワーキング活動の一環として国際人財ワークショップが企画した「社長と国際人財のダイアログ」にも大いに期待されていたとのことです。参加した国際人財社員は国籍も職位もさまざまな3名の皆さん。さて、どのような対話が展開されたのでしょうか。

参加者:写真左より 
張 / 阮 / 小島 / タン
(記載の部署・役職等は2023年1月時点)

多様性の推進は会社の成長に不可欠

小島社長:本日は皆さんとお話しできるのを楽しみにしてきました。最初に簡単な自己紹介と仕事内容をお聞かせください。

張(ちょう):名古屋支店 技術2部 技術2課の張興輝(ちょう こうき)です。日本の大学院で空調設備を専攻したことから入社を志望しました。入社12年目で、現在は地区事務所所長としてリニューアル物件の提案、計画、各施工グループのマネジメント業務を行っています。入社4年目までは病院物件の熱源改修と新築を担当、5年目は社内JVで半導体工場物件のクリーンルーム施工を経験、6年目は初めて現場所長を経験し、7年目から11年目までは商業施設新築物件3件に携わりました。

阮(げん):関信越支店 埼玉営業所 技術課の阮潔(げん けつ)です。日本の大学院で大気汚染を研究しました。現在、入社5年目で、これまで複合施設や事務所ビルの新築工事と、倉庫や工場の改修工事に関わり、様々なことを経験してきました。

タン:名古屋支店 技術2部 技術1課のフアムトアン タンです。日本の大学で流体力学を学びました。入社2年目で、主な仕事は現場担当です。施工写真の撮影や整理、書類作成、図面修正などを行っています。

小島社長:それぞれの現場で頑張ってくださっていますね。張さんは国際人財社員の中でも唯一の課長代理職ですが、今の立場になるまでにどんなことがありましたか?

:自分の努力に加えて、上司がその努力を評価して、必要な時にはフォローしてくれたこと、成果を上げた時には次のチャンスを与えてくれたことが大きかったと思います。私の場合、4年目までは現場所長と2人の現場だったので、あらゆることをやらなければなりませんでしたが、その状況を前向きに捉えて、なんでも進んで吸収しようとしました。初めて現場所長を務めた時は、派遣社員の採用、協力会社の選定、設計事務所対応まで担当し、トラブルもあったのですが、課長がお客様への報告に同席してくれたり、報告書の書き方をアドバイスしてくれたりしたので、乗り越えることができました。そして、8年目に初の新築物件をやり遂げた時、昇格試験に挑戦することができました。

小島社長:皆さん、仕事をしていて難しいと思うことは?

:最初の頃は職人さんの言っていることがわからなくて戸惑いました。生活レベルの日本語はできるようになっていたのですが、職人さんの言葉は専門用語が多く別の言語のようでした。

小島社長:どうやって乗り越えましたか?

:分かり易い言葉に言い換えてもらったり、丁寧に教えてもらったりして、一つひとつ解決していきました。時間はかかりますが、諦めずに向き合うことをいつも心がけていました。現場所長や課長、管理部のメンバーなど、周囲の人たちにも助けられました。悩みは一人で抱え込まず、信頼できる人に相談するようにしています。

タン:私も職人さんの言葉がわからなくて苦労しましたが、上司や先輩が親切に教えてくれるので助かっています。特に気を遣ってくれる先輩がいて、よく相談に乗ってもらっています。

小島社長:相談しやすい雰囲気があることは、すべての社員にとって大切なこと。快適な職場風土づくりにはこれからも積極的に取り組んでいきます。楽しいこと、うれしいことは何ですか?

:苦労はしても、わかり合えた時の喜びは格別です。また、関信越支店では2021年度から多様性推進を目的として「K(かんしんえつ)-カルチャー」という外国文化講座が開かれています。私もそこで中国語の講師をしています。相互理解を深めようという気持ちが感じられて、とても有意義です。

会社の成長に国際的な視点は不可欠

小島社長:当社は2023年に100周年を迎えます。次の100年に向けては「環境クリエイター®」として、これまでの空調技術をベースに、快適な空間環境の創造だけでなく地球の環境保全に貢献することも目指しています。グローバル規模で飛躍するためには、多様な視点が欠かせないと思っています。

:国際人財社員には将来も含めてどういうことに期待していますか?

小島社長:先日、タイ・タカサゴに視察に行きました。タイ・タカサゴでは390名が働いています。そのうち、日本からの出向者は10名、現地で採用した日本人の方が10名です。現法社長は日本からの出向社員が務めていますが、現地の社員とお客様を真に理解して、コミュニケーションを円滑に図っています。一方で事業をさらに発展させるため、将来的には現地出身で、日本の事情にも通じている人財がトップに立つことが望ましいと考えます。そのためには事業の成長とともに、現地で現場所長を育成することも必要です。日本で経験を積んだ国際人財社員には、その架け橋の役割を担ってもらいたいと期待しています。現在当社で働く国際人財社員は37名、全体の1.7%ですが、これからはキャリアパスも見えるようにしていきます。張さんは、ぜひロールモデルになっていただきたいですね。

タン:私は将来、タカサゴ・ベトナムで働きたいと思っています。タカサゴ・ベトナムのお客様は日系企業が中心かと思いますが、将来は国やベトナム企業の仕事も幅広く受注できるように現地で活躍したいと思っています。

小島社長:おっしゃる通りです。そこで必要になるのが、先ほども言ったように、日本のこと、技術のこともわかった上で、現地法人を率いることができる人財です。次はタカサゴ・ベトナムに出張する予定なので、状況をよく見てきます。また、次の進出先は常に考えています。重視しているのは、私たちのカーボンニュートラル技術がその国のためになることです。進出先を考えるにあたっては現地の確かな情報が必要なので、その点でもぜひ力を貸してください。

:私は国際事業部の仕事を希望しています。中国やその他の海外拠点と日本を結び、海外事業の発展に貢献したいと思っています。

共通する問題意識は会社全体の課題

小島社長:当社で働く上で他に気になっていることはありますか?

タン:働く“環境”という意味では現場事務所での快適性も大事だと思っています。例えばリラックスできる場所やちょっと休憩できるような椅子があったりすればいいと思います。

小島社長:それは大事なことで、会社全体の課題です。現場事務所はそういうもの(プレハブ、簡易等)という思い込みは変えなければなりません。そのきっかけになるように、「働き方改革」の取り組みの一つとして、「現場業務改善グランプリ(G-1GP)」を開催しています。たとえば、スチールのテーブルや椅子をレンタルするのではなく、働きやすさや快適性で備品を選んでレンタル・購入するなど、現場事務所の作業環境をもっと良くしようと呼びかけています。

:言葉の問題はやはり大きいと感じています。特に初期の研修段階の現場では、国際人財社員の先輩、できれば同じ国出身の先輩がいるところに配属してもらえると安心です。

小島社長:最初からなじみのない場所で一人というのは、誰でも辛いものです。ですから、日本籍社員でも入社後の配属先はなるべく出身地あるいは出身大学に近いところにしています。国際人財社員についても、できるだけ安心できる環境を整えます。

タン:専門用語も多いので、研修時は、母国語で聞ける人がいれば安心です。そうすることで同じペースで理解も深められると思います。

小島社長:国際人財社員の間でメンター制度があればいいということですね。ご提案ありがとうございます。

他文化の尊重はすべての社員への思いやり

小島社長:その他に希望などがあれば聞かせてください。

:それぞれの国で大事な行事があると思うのですが、それに合わせてお休みが取れたらうれしいです。

小島社長:はい、その意見はすでに聞いていて、2023年4月より制度化します。具体的には、国際人財社員には、通常の有給休暇にプラスしてホームリーブ休暇を新設します。中国やベトナムなら春節に母国で家族と過ごしてもらえるような制度です。他文化への配慮を示すことは、多様性を認め合うためには当然必要なことであって、特別扱いではありません。そういう意味では海外現法に日本から出向している社員にも同じ様に制度を整えていきたいと思っています。国籍にかぎらず、あらゆる属性を超えて、一人ひとりの状況に寄り添うことが、真のダイバーシティ&インクルージョンへの第一歩です。私たちは今、変化の時を迎えています。さらに誇れる会社、選ばれる会社を目指して、一緒に今日のダイアログをさらに発展させていきましょう!

一同:よろしくお願いします!

参加者プロフィール

フアムトアン タン

ベトナム出身。趣味は読書で、夏目漱石など日本の小説や漫画を読む。好きな食べ物は醤油ラーメン。

阮 潔(げん けつ)

中国出身。オフの楽しみは旅行やスポーツ。日本で驚いたことは笑顔と「ありがとう」が多いこと。好きな食べ物は北海道カボチャ。

張 興輝(ちょう こうき)

中国出身。車が好きでF1観戦が楽しみ。オフは小四と小二の子どもの勉強をみるなど、家族と過ごす時間を大切にしている。

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