社会
人的資本の強化
Strengthening
Human Capital
- 人権の尊重
-
人的資本の強化
- ダイバーシティ&インクルージョン
- 社会貢献
- 品質・サービス
高砂熱学グループの人的資本強化
高砂熱学工業は人が最大の資産であると考え、創立以来「人の和と創意で社会に貢献」という社是のもと、無いものは創るという考え方に基づき社員一人ひとりの力を結集して新たな価値を生み出し、社会の発展に貢献してきました。
当社グループを支えているのは、社員一人ひとりの力であり、その貴重な人財が自律的に成長していくことで、会社もさらに成長していくと考えています。
環境クリエイター®として未来に向けてさらなる発展を続けるために、採用、成長支援、活躍、能力の見える化を4つの柱として人的資本の強化に取り組んでいます。
人財マネジメント基本方針
当社は、「人が最大の資産である」という理念に基づき、人財育成と人間尊重を礎とした人財マネジメントを行います。
企業活動を通じて、常に新たな価値を生み出して社会に貢献していく為には、日々成長を続ける企業でなければならず、それを支えるのは常に成長し続ける人財であるとの考えを基本とし、品性と高い倫理観を持ち、自律的に、常に挑戦し続ける人財を育成します。
また、性別、性的指向、性自認、国籍や障がいの有無などの属性にかかわりなく、お互いの多様性を認めて尊重し合う企業文化を醸成するとともに、個々の人財が健康で生き生きと、能力を最大限に発揮できる労働環境を整備します。
高砂熱学を取り巻く諸課題を踏まえた人財戦略の4つの柱
人的資本強化に向けて現状の問題を整理し、その解決に向けた重点取組課題を特定しました。それを踏まえ「採用」「成長支援」「活躍」「能力の見える化」を人的資本強化の4つの柱として人的資本強化に取り組んでいます。
- 問題解決に向けた重点取組課題
人的資本強化の4つの柱
人的資本強化に向けた取り組みの全体像
人的資本強化に向け、社内横断組織として「人的資本強化タスクフォース」を設置し、人事部、タカサゴ・シン・アカデミーとの連携を通じて人財戦略の4つの柱(採用・成長支援・活躍・能力の見える化)に取り組んでいます。

採用
未来の環境クリエイター®となる新卒者の採用を積極的に行っています。新卒採用においては、性別や国籍に関係なく実力主義での採用を行っております。女性従業員は、2030年頃には従業員に占める割合を30%、外国籍従業員については、現状よりも増加とする目標に基づき、積極的に採用しています。
また、キャリア採用においては、コア事業である建設事業を支える即戦力人財や経営計画の実現に必要な専門知識を有する人財の採用を行っています。
採用実績
3カ年の平均
女性 33.6%
留学生 7.6%

成長支援
人財育成の基本的な考え方
当社は、建築設備分野におけるパイオニアとして「人の和と創意で社会に貢献」を社是に環境エンジニアリングによりカーボンニュートラルに向けて世界に貢献するため、そして環境クリエイター®として豊かに暮らせる未来の地球を創るため、最高の品質提供と創意工夫による技術開発を可能にする人財の育成に取り組んでいます。従業員教育と自己研鑽の両面が相補いながら、チャレンジ精神や創意工夫を育む組織風土づくりに努めています。
目的とステージに合わせた
教育の実施
目的とステージに合わせた教育の実施
未来を創る人財の育成を目的とした部門「タカサゴ・シン・アカデミー」では、各種研修(Off-JT)と多様な経験(OJT)の両輪で人財を育成し、実践的で多角的な教育により、目的とステージに合わせた人財の成長を支援しています。
入社時の現場研修
新入社員は技術職、事務職を問わず、現場研修で施工管理業務を経験します。当社がどのように付加価値や利益を生み出し、成長を続けているかを実務経験の中で理解し、その後の多様なキャリア形成につなげています。
目的別教育と階層別教育
目的別教育においては入社から定年退職までそれぞれのステージで活躍できるよう、必要な能力やビジネススキルの修得や倫理観の醸成など、多様な教育を行っています。
階層別教育ではマネジメントスキルを重要視し、MBA学位取得制度や次世代リーダー養成、管理職候補のマネジャーセミナー、若手が対象のリーダーセミナーなどを実施し、将来の経営を担う人財を継続的に育成しています。
社員1人当たりの教育時間の推移
[タカサゴ・シン・アカデミー主催や本社主催のeラーニングなどが対象、本支店主催の研修は除く]
- %は、2021年度を1としたもの。
キャリアポート
(キャリア相談窓口)の設置
若手社員のキャリア形成上の不安、結婚や出産等のライフイベントなど、さまざまな悩みを前向きに相談できるように、気軽に立ち寄ることができる港(ポート)をイメージして、キャリア相談窓口である「キャリアポート」を設けました。キャリアポートでは寄せられる相談について、人財育成の担当者やダイバーシティ&インクルージョンの推進担当、人事制度に詳しい担当者が親身に解決に向けたアドバイスを行っています。

活躍
エンゲージメントのさらなる向上
従業員が意欲をもって業務に従事し続けるためには、やりがいや誇りを感じて業務に打ち込めるよう、会社の経営理念や事業内容が社会に貢献するものでなくてはなりません。加えて、メリハリのある多様な働き方を可能にし、ワークライフバランスを実現することで、従業員が健康で充実した生活を送れるように就労環境を整備する必要があります。
こうした取り組みの積み重ねで従業員と会社の間の信頼を醸成し、従業員一人ひとりが働きがいや幸福を感じ、イキイキ・ワクワクと活躍できる企業づくりを進めています。
エンゲージメント調査の実施と
エンゲージメント向上ワーキングの設置
年1回の本調査と四半期毎の簡易調査(パルスサーベイ)により、従業員のエンゲージメントの状況を把握しています。調査により組織課題を明らかにし、全社横断のワーキングチームを通じて全国の支店に好取組事例を共有し、改善取組を継続することで、さらなるエンゲージメント向上につなげています。
Diversity, Equity & Inclusion
当社は、経営理念において「人間尊重」を基本とし、国籍や性別を問わない公平な人財登用を推進しており、部門を横断して多様性を推進するチームを設置して、多様な人財が自らの個性と能力を最大限に発揮して活躍できる職場づくりを進めています。
DE&Iチームでは「女性」「障がい者」「国際人財」「キャリア採用者」「シニア」「LGBTQ+」それぞれのテーマ別に課題の洗い出しや施策の実行を進めています。
- 当社シンボルマークのエレメントを活用したDE&Iロゴマーク
ハラスメント対策
パワーハラスメント、セクシュアルハラスメントやマタニティハラスメントといったハラスメントを防止するため、トップメッセージを発信してハラスメントを許さないという会社の基本方針を明確にしています。社内外に相談窓口を設けているほか、定期的なアンケート調査を実施して職場でのハラスメントの有無を確認しています。また、毎年8月をハラスメント根絶強化月間とし、全社でハラスメント防止の意識向上を目的とする研修を行っています。
仕事と家庭の両立支援
育児や介護と仕事との両立を支援するため、育児・介護休職や短時間勤務制度をはじめ、子女の看護休暇・介護休暇といった各種休暇制度を整備しています。その他、時差出勤やテレワークなど柔軟な働き方を可能にしており、テレワークについてはすべての従業員が利用できる制度としています。
その他、男性の育児参加を積極的に応援し、育児休職の1カ月有給化を行うなど男性従業員の育児休職取得を奨励しています。また育児休職からの復職支援として、復職時面談の実施や企業主導型保育所の紹介などを行っています。
働き方改革に向けた取り組み
役職員が心身ともに健康で活力に満ちあふれる企業(ウェルビーイングカンパニー)となることを目指し、働く環境の整備と人事制度の見直しを継続しています。
建設業への残業上限規制の適用がスタートする2024年問題への対応なども踏まえ、当社では時間当たりの付加価値労働生産性を向上し、柔軟で多様な働き方へワークスタイルを変革していくSmart Workをキーワードとする働き方改革活動を進めております。当活動のシンボルマークとなるロゴを制作しました。ロゴは、ポップな雰囲気の複数のカラーとデザインで表現しており、取り組みもロゴにちなみ、様々な働き方改革に取り組み、より魅力的な建設業界・建設現場づくりを目指してまいります。
DXによる働き方改革(点から面へ)
基幹システム(ETHOS)や様々なデジタル基盤を活用することにより、個別に対応していた業務を集約し、集中処理することで生産性を向上させ、業務の高度化と働き方の多様性を図ります。併せて人財の高度化を図り、新たな付加価値を創造します。
健康経営
社長による「健康宣言」の下、役職員の健康保持・増進を支援し、健康経営を推進する専任部署である「健康推進室」を設置しています。健康推進室には医療職が常駐して、すべての役職員が心身ともに健康で、活力に満ちあふれる企業(Wellbeing カンパニー)となることを目指しています。心身の健康に関する相談の受け付けを随時行うほか、仕事と病気の両立支援、健康診断の事後フォロー、ヘルスリテラシーの向上のための教育・啓発活動などを行っています。
その他、ウォーキングキャンペーン、働く女性の健康支援セミナー、出張運動教室の開催や、健康情報を紹介する「たかさご健康だより」の毎月発行など、身近なところから従業員の健康意識向上を促す工夫を行っています。今後は、医療職の体制強化を図り、全社員に同じレベルの健康サポートができるように、さらなる健康経営の推進に努めてまいります。
キャリアチャレンジ制度(社内公募制度)
自律的なキャリア形成を促すことを目的としてキャリアチャレンジ制度(社内公募制度)を設けています。新規プロジェクトを推進する部門を中心に求める人財要件を提示し、社員が直接人事部に応募する方式で募集を行い、キャリア実現の機会の提供しています。

研究開発本部 カーボンニュートラル事業開発部
カーボンニュートラル事業推進室
課長代理 三田村 茂和さん
私は入社以来、12年間横浜支店に所属しており、直近の6年間は設計部で主に改修物件の省エネ提案などを行ってきました。ここ数年、お客様からカーボンニュートラルを強く意識したご要望を受けることが増えており、高砂熱学固有の省エネ技術や世の中の最新のカーボンニュートラル技術について、プレゼンや勉強会を行う機会も何度かいただいていました。その経験から、支店の設計部で提案可能な省エネ技術のほかに、エネルギー転換や先端技術の提案もできるようになりたいという気持ちが募っていました。そのような心境の昨年末、CN事業推進室への社内公募があることを知り、運命的なものを感じて応募しました。前向きな気持ちがある一方で、これまで異動経験がなかったことや、現在シングルファーザーとして独りで子供を育てているため、業務面やワークライフバランスの面で不安を抱えていました。
現在、異動から3カ月が経過しましたが、公募に応募して本当に良かったと感じています。CN事業推進室のメンバーは温かく迎えてくれ、情報共有も活発です。各地への出張や打合せが多いため、一堂に会することは少ないですが、打合せはリモートでもスムーズに行われています。都合がつかない場合や、業務量に偏りが生じた時にも、サポートし合う風土があり、異動前に感じていた不安はまったくの杞憂でした。私の業務は主に、水素需要家の情報を基に供給設備の容量を決定し、その根拠を示すことと、供給施設建設のための基本設計を取りまとめることです。プロジェクトの毎週の定例会議や各種打合せにて、説明や情報共有が求められ、非常にやりがいを感じています。事業計画を共に進めるコンソーシアムの各社の方々からも、計画の進め方やファシリテーションの面で多くを学ぶことができ、充実した日々を送っています。反対に、コンソーシアムの方々が私の資料を頼りにしてくれていると感じることもあり、それも励みになっています。今取り組んでいるプロジェクトでは、異動前に興味を持って調べていた話題が飛び交っています。まだ一歩踏み出したばかりですが、希望のキャリアに近づけた実感があります。異動前の設計部での経験も大いに活かしながら、新たな領域で自分のキャリアを形作っていきたいと考えています。
(※部署・役職等は2024年度時点)

能力の見える化
経営戦略と連動した人財マネジメントを通じた人的資本強化推進
一人ひとりの従業員のさまざまな人財データを管理し、採用や育成、人財配置や登用に活用する人財マネジメントを進めています。
2021年度以降導入・整備を進めている人財マネジメントシステムを活用し、経営戦略実現のために必要な人的資本の強化に向けて取り組みを進めています。
スキルマップの整備と教育体系見直しとの連動
従業員の能力やスキルを把握することは、適所適材の人財配置や登用、効率的な育成を可能にし、変化に強い組織づくりや従業員のエンゲージメント向上につながります。
2023年度より部門横断の『人的資本強化タスクフォース』を設置し、職種別に必要となるスキルを整理、2024年度より本格運用を開始しています。さらに整理したスキルとそのレベルアップを図るための学習カリキュラムをリンクさせ、教育体系の見直しや、各部門別プロフェッショナル人財の育成にも活用する取り組みを開始しています。