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ニュースリリース News Release

TDK㈱ 国内最大規模の工場へ吸着材蓄熱システム「メガストックⓇ」を納品、CO2排出量削減に貢献 ~未利用の低温排熱(100℃程度)を蓄熱し、離れた場所へ運び、再利用~

プレスリリース技術とサービス

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 高砂熱学工業株式会社(社長:小島和人/以下、当社)は、TDK株式会社(本社:東京都中央区、社長:齋藤昇/以下、TDK)の国内最大規模の製造・開発拠点「本荘工場西サイト」(秋田県由利本荘市)に、低温排熱を蓄熱・再利用する設備を導入したことをお知らせいたします。

 

 製造業は、工場を稼働させるため膨大なエネルギーを使用することから、全産業におけるCO2排出量の約30%(2021年度)※1を占めています。このようなことから、生産施設ではコージェネレーションシステム等を活用した未利用エネルギー(排熱等)の有効利用が進められていますが、100℃程度の低温排熱は、発生場所による使用用途が限定されることから、大部分が大気中に放出されています。

 

 TDKは、「TDK環境ビジョン2035」において、ライフサイクル的視点でのCO2排出原単位を2035年までに2014年度比で半減することを目標に掲げています。本荘工場西サイトにおいても、消費エネルギーの見える化や、省エネ会議を定期的(月1回)に開催することで、施設の運用改善に取り組んでいます。この度、生産施設において未利用のままである低温排熱に着目し、当社が社会実装を進める低温排熱を蓄熱・再利用する吸着材蓄熱システム「メガストック」の導入に至りました。

 

■導入設備 概要

 今回、顕熱熱交換器を新たに設置し、未利用のまま排出されていたVOC燃焼装置の排熱を回収する仕組みを導入しました。排熱の活用方法は以下の通りです。

 

① 乾燥炉の熱源に供給する空気の加温補助に使用することで、蒸気の使用量を削減。

② ①で回収しきれない低温排熱は、「メガストック」にて蓄熱し、排熱場所から200m離れた場所へトラックで輸送(オフライン熱輸送※2)し、外調機の加温補助に使用することで、蒸気使用量を削減。

 

 設備は2023年12月末日に竣工し、2024年1月から順次運用を開始しております。

 本設備導入による効果は、CO2削減効果▲249t(CO2)/年と試算しており、本荘工場西サイト全体におけるCO2排出量の約5%に相当します。

 

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導入設備システム イメージ

 

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左:排熱をAからBへトラックで輸送
右:蓄熱材を運ぶ輸送トラック

 

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左:A:排熱場所 外観(排熱を回収)
右:B:利用場所 外観(運んだ排熱を利用)

 

 

 TDKでは、本荘西サイトで蓄熱した熱を、事業所内での利用だけでなく、事業所外・地域へ供給する等、地域全体での熱利用を検討しています。

 

 当社では、「メガストック」を、地方自治体の汚泥・ごみ焼却場排熱、工場排熱などの広域熱利用システムとして活用が期待できることから、排熱の有効利用を検討されるお客様へご紹介を続け、今後の排熱利用を広げることで脱炭素へ貢献してまいります。

 

 今後も、当社グループパーパス「環境革新で、地球の未来をきりひらく。」のもと、地球や人々に必要とされる環境の創造に努めてまいります。

 

※1 出典:環境省 温室効果ガス排出・吸収量等の算定と報告 2021年度(令和3年度)温室効果ガス排出・吸収量

https://www.env.go.jp/earth/ondanka/ghg-mrv/emissions/

※2 オフライン熱輸送

蓄熱媒体をトレーラー等で輸送するシステム。特長は、パイプラインの導管方式に比べてインフラ整備コストが安価で、地下埋没物等の制限を受けない点です。

 

■低温排熱を回収・蓄熱して利活用する技術「メガストック

 これまで未利用の低温排熱を吸着材「ハスクレイ」や「ゼオライト」に回収・蓄熱し、時間あるいは場所が異なる利用先で加温・除湿・乾燥等に利活用するシステムです。「定置型」として同じ事業所内で、あるいは「輸送型」として事業所外の周辺地域で、熱を利活用します。

URL:https://www.tte-net.com/solution/megastock.html

  

【TDK株式会社について】 https://www.tdk.com/en/index.html 

TDK株式会社(本社:東京)は、スマート社会における電子デバイスソリューションのリーディングカンパニーを目指しています。 独自の磁性素材技術をそのDNAとし、最先端の技術革新で未来を引き寄せ(Attracting Tomorrow)、社会の変革に貢献してまいります。

 

TDKは各種エレクトロニクス機器において幅広く使われている電子材料の「フェライト」を事業化する目的で1935年に設立されました。主力製品は、積層セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、インダクタ、フェライトコア、高周波部品、ピエゾおよび保護部品等の各種受動部品をはじめ、温度、圧力、磁気、MEMSセンサなどのセンサおよびセンサシステムがあります。さらに、磁気ヘッドや電源、二次電池などです。これらの製品ブランドとしては、TDK、EPCOS、InvenSense、Micronas、Tronics、TDK-Lambdaがあります。

 

アジア、ヨーロッパ、北米、南米に設計、製造、販売のネットワークを有し、自動車、産業電子機器、コンシューマー製品、そして情報通信機器など幅広い分野においてビジネスを展開しています。2023年3月期の売上は約2兆1,800億円、従業員総数は全世界で約103,000人です。

 

■TDK本荘工場西サイトについて

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TDKの創業者齋藤憲三氏の出身地である秋田地区は、世界30か国以上に事業を展開しているTDKの中心となる製造拠点です。中でも、本荘工場西サイトは、従業員約2,000名が在籍する国内最大規模の製造・開発拠点です。身の回りのあらゆる電子機器で使用されるセラミックコンデンサの主要製造拠点です。

 

住所:〒015-0064 秋田県由利本荘市万願寺1-6

URL:https://www.tdk.com/ja/careers/graduates/office/akita/

 

【高砂熱学工業株式会社について】 https://www.tte-net.com

1923年創立以来、空調設備の設計・施工を中心に、人に優しい快適空間の創出、高度に管理された生産工程環境の構築、AIを活用した設備の最適な運転や省エネのコンサルティングなど、建物ライフサイクル全般にわたってのトータルなサービスを、日本全域・中国・東南アジア・インド・メキシコで展開。グループパーパス「環境革新で、地球の未来をきりひらく。」のもと、心地よい環境を創造する「環境クリエイター」として脱炭素・サステナブル社会の実現に寄与する技術・サービスの創出に取り組んでいます。