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本荘公園大手門温水プール「遊泳館」における蓄熱システム完成 民間工場で未利用の低温排熱を、7km離れた行政施設へ運び、利活用 官民連携し地域全体での熱利用を開始
プレスリリース |技術とサービス
秋田県由利本荘市(市長:湊貴信、以下 由利本荘市)、TDK株式会社(本社:東京都中央区、社長:齋藤昇、以下 TDK)、高砂熱学工業株式会社(本社:東京都新宿区、社長:小島和人、以下 高砂熱学)は、4月22日、TDK本荘工場西サイト(秋田県由利本荘市)の低温排熱を、約7km離れた由利本荘市内にある市営温水プール「遊泳館」(指定管理施設)へ運び利活用する実証設備・システムが完成し、披露式を遊泳館にて開催したことを、お知らせします。

左からTDK㈱ 佐藤専務執行役員、由利本荘市 湊市長、高砂熱学工業㈱ 神谷取締役専務執行役員

熱を運搬するトラックと、プール施設外に新設した熱を受け入れる設備
低温排熱(80℃~200℃)は、発生場所における用途が限定されることから、大部分が未利用のまま大気中に放出されています。本実証試験は、2024年1月、TDK本荘工場西サイトへ導入した蓄熱システム「メガストックⓇ」※1(開発:高砂熱学)を活用し、工場内で放出されている低温排熱を、工場から約7km離れた温水プール「遊泳館」へ運び、プール温水製造や空調設備のエネルギーとして利活用します。「メガストックⓇ」に加え、「リキッドデシカント」(調湿空調システム)※2を組み合わせることで、温風を供給するのみならず、調湿された冷風・温風を効率的に提供し、空調負荷削減及び室内環境改善に取り組みます。
設備・システムは26年3月末に完成し、26年4月23日から運用を開始します。実証期間は、2026年4月から3年間です。温水プール「遊泳館」におけるCO2削減量は、約6ton/年を見込んでいます。
披露式では、関係者約25名が集まり、由利本荘市から2社へ感謝状が授与されました。その後、各社代表による挨拶のほか、実際に設備を稼働させて熱を運ぶ様子の見学が行われました。熱の運搬を担うトラックのデザインは、由利本荘市を見守る鳥海山と、自然のめぐりをイメージしたやさしい波模様で構成されており、自然とともに歩むまちの姿をやわらかく表現しています。
今後も由利本荘市、TDK、高砂熱学は、工場近隣の公共施設、病院、温泉等への熱源供給についても検討を進めるとともに、官民連携し、再生可能エネルギーの活用や地域全体のカーボンニュートラルの実現に向けて積極的に取り組んでまいります。
熱利用イメージ

設備イメージ

※1 低温排熱を回収・蓄熱して利活用する技術「メガストックⓇ」
これまで未利用の低温排熱を吸着材「ハスクレイ」や「ゼオライト」に回収・蓄熱し、時間あるいは場所が異なる利用先で加温・除湿・乾燥等に利活用するシステムです。「定置型」として同じ事業所内で、あるいは「輸送型」として事業所外の周辺地域で、熱を利活用します。
URL:技術とサービス「メガストックⓇ」(高砂熱学工業HP)
※2 「リキッドデシカント」
リキッドデシカントは、液体調湿剤を使用して処理空気の温度と湿度を自由に制御する技術です。排熱や高効率ヒートポンプなどの熱源と組み合わせることで、従来の空調方式に対して高い省エネ効果を得ることが可能です。液体調湿剤は高い除加湿能力だけでなく除菌効果があり、雑菌繁殖がないことからクリーンな空気を供給できます。今回の導入機器(LDU)は、一部制御機能のみを抽出し構造を簡素化したものであり、ダイナエアー株式会社と共同で開発し、2024年7月より販売を開始しています。
URL:新製品「LDU」の発売開始(2024年8月5日付)(ダイナエアー社 HP)
【秋田県由利本荘市について】 https://www.city.yurihonjo.lg.jp/index.html
2005年に本荘市、由利郡矢島町、岩城町、由利町、大内町、東由利町、西目町、鳥海町が合併し、秋田県で最大の面積を誇る市として誕生しました。日本海に面し、名峰「鳥海山」や人々の生活に潤いを与えてきた一級河川「子吉川」など山、川、海の自然が織りなす風光明媚な都市です。2023年には、2050年までに市内の二酸化炭素排出量を実質ゼロにすることを目指す「ゼロカーボンシティ」を宣言しました。
【TDK株式会社について】 https://www.tdk.com/en/index.html
TDKは、スマート社会における電子デバイスソリューションのリーディングカンパニーを目指しています。独自の磁性素材技術をそのDNAとし、最先端の技術革新で未来を引き寄せ(Attracting Tomorrow)、社会の変革に貢献してまいります。
TDKは各種エレクトロニクス機器において幅広く使われている電子材料の「フェライト」を事業化する目的で1935年に設立されました。主力製品は、積層セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、インダクタ、フェライトコア、高周波部品、ピエゾおよび保護部品等の各種受動部品をはじめ、温度、圧力、磁気、MEMSセンサなどのセンサおよびセンサシステムがあります。さらに、磁気ヘッドや電源、二次電池などです。これらの製品ブランドとしては、TDK、EPCOS、InvenSense、Micronas、Tronics、TDK-Lambdaがあります。
アジア、ヨーロッパ、北米、南米に設計、製造、販売のネットワークを有し、自動車、産業電子機器、コンシューマー製品、そして情報通信機器など幅広い分野においてビジネスを展開しています。2023年3月期の売上は約2兆1,800億円、従業員総数は全世界で約103,000人です。
■TDK本荘工場西サイトについて

TDKの創業者齋藤憲三氏の出身地である秋田地区は、世界30か国以上に事業を展開しているTDKの中心となる製造拠点です。中でも、本荘工場西サイトは、従業員約2,000名が在籍する国内最大規模の製造・開発拠点です。身の回りのあらゆる電子機器で使用されるセラミックコンデンサの主要製造拠点です。
住所:〒015-0064 秋田県由利本荘市万願寺1-6
URL:https://www.tdk.com/ja/tdk_electronics_factories/index.html
【高砂熱学工業株式会社について】 https://www.tte-net.com
1923年創立以来、空調設備の設計・施工を中心に、人に優しい快適空間の創出、高度に管理された生産工程環境の構築、AIを活用した設備の最適な運転や省エネのコンサルティングなど、建物ライフサイクル全般にわたってのトータルなサービスを、日本全域・中国・東南アジア・インド・メキシコで展開。グループパーパス「環境革新で、地球の未来をきりひらく。」のもと、心地よい環境を創造する「環境クリエイターⓇ」として脱炭素・サステナブル社会の実現に寄与する技術・サービスの創出に取り組んでいます。