ページが見つかりません
- TOP
- ページが見つかりません
2006年10月31日
高砂熱学工業(石田栄一社長)と産業技術総合研究所(吉川弘之理事長)は、空調を中心とする建築設備への水素エネルギー利用システムの研究を、共同で進めてまいりましたが、このほど開発に一定の成果が得られましたことをお知らせします。
現在、業務用ビルではさまざまな省エネルギー対策が講じられていますが、エネルギー自由化や環境意識の高まりなどから、一層の有効活用が必要になっています。
高砂熱学工業は、エネルギー貯蔵密度が水の約100倍と高い水素(水素吸蔵合金による水素貯蔵を想定)に着目し、1994年から段階的に、その特性を利用したエネルギー供給システムの開発に取り組んでまいりました。このシステムは、水素を貯蔵する「水素吸蔵合金」を中心に、水電解と燃料電池とを組み合わせたもので、単純な組み合わせでは達成できなかった高効率化を、産業技術総合研究所と共同で、水電解装置(産総研で開発した製造方法を使用)や水素吸蔵合金の最適化によって実現し、このほど水素の生成と貯蔵機能を有する5kW級の電気・熱エネルギーの供給システムの開発に成功しました。
このシステムを応用することにより、電気、ガス、石油、風力、太陽光など多様なエネルギーを水素として水素吸蔵合金に貯蔵し、冷熱、温熱、電気など多様なエネルギーを発生させることが可能です。建築設備に導入することで、省エネだけでなく、自らがエネルギーの生成、貯蔵、供給機能を持つことで、ライフラインが途絶えた災害時にも必要最低限のエネルギー供給が可能となる、すなわち建物機能の強靭化を実現することができます。
当システムは現在実用化の研究段階で、近い将来の建築設備への導入を目標としております。
高砂熱学工業は、中期経営計画(2005~07年度)の基本方針のひとつ「省エネルギーのための空調を主とした熱源エネルギーの最適化技術の提供」を柱に、空調設備の企画~設計~施工~検証~運用のワンストップサービスを進めております。
水素利用技術の建築設備への導入は、従来の熱エネルギーだけでない幅広いエネルギーを有効活用するサービスを提供することになります。これにより、当社はビルのエネルギー全般のソリューション提供企業として、ビルを自立・自律性の高い強靭なものとし、顧客や地域社会に貢献していけるものと考えております。
水素利用システムの概要
当システムは、下記の水素の特徴を生かした「水素吸蔵合金」に水素を蓄え、水電解と燃料電池を組み合わせて、エネルギーを発生、供給させるものです。
エネルギー媒体としての水素の特徴
エネルギー媒体としての比較
水素利用システムのしくみ
水素吸蔵合金とは
水素エネルギー貯蔵設備を中心とした建物用水素利用システムの概要
水素利用システムの用途
エネルギー供給機能を有する業務用建築設備の最終導入イメージ
以上
独立行政法人産業技術総合研究所 概要
2001年4月に旧通商産業省(現経済産業省)工業技術院に所属していた15研究所と同省計量教習所を独立行政法人化すると共に、統合・組織変更を行い、現在に至る。わが国の産業技術水準を向上することによって社会の発展に寄与していくことを目的とし、基本的には産業すべてにわたる分野を研究対象とする。総職員数は約3,200名。そのうち約2,500名が研究者で、そのほかにも企業や海外からの研究者も約1,500名おり、公的研究機関としては日本最大の規模を誇る。
この資料に関するお問い合わせ先
高砂熱学工業株式会社 業務本部総務部広報課 井野、鷲尾
〒101-8321 東京都千代田区神田駿河台 4-2-5
TEL (03) 3255-8212 FAX (03) 3251-0914