コーポレート・ガバナンス報告書
当社は東京証券取引所に「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」を提出しております。
基本的な考え方
当社は、社会からの信頼を獲得し、中長期的に企業価値を高めるべく経営の適法性・透明性および迅速性を確保し、経営効率の向上を図ることをコーポレート・ガバナンスの基本方針としております。
コーポレート・ガバナンス体制
当社は、「取締役会」および「監査等委員会」を設置しております。また、取締役の人数適正化を行うとともに、経営の意思決定・監督機能と業務執行機能を明確にし、迅速かつ機動的な経営を行うため、執行役員制度を導入しています。
コーポレート・ガバナンス体制図
取締役会
取締役会は、現在12名(うち7名は社外取締役)で構成されており、原則として毎月1回開催するほか必要に応じて随時開催しています。取締役会は法令・定款に定められた事項のほか、取締役会規則に基づき重要事項を決議し、取締役の業務執行状況を監督しています。
社外取締役は、業務執行から独立した客観的な立場および専門的見地から取締役会等で有用な指摘、意見を述べるなど、期待される役割を果たすよう努めております。
取締役会は、重要な業務執行の決定と取締役の職務執行の監督を行うことにより、経営の効率性の向上と業務執行の適法性・妥当性の確保に取り組んでいます。
監査等委員会
監査等委員会は、現在4名(うち3名は社外取締役)で構成されており、原則として毎月1回開催するほか、必要に応じて臨時開催しております。監査等委員会は監査結果の取締役会への報告など取締役の執行状況の監督を行っております。
経営会議・内部統制委員会
経営に関する重要な事項の審議充実と経営資源配分の意思決定の迅速化を図るため「経営会議」を、また、当社および当社グループの内部統制システムの整備および運営を横断的に推進するために「内部統制委員会」を設置しています。
ガバナンス・指名・報酬委員会
取締役会が諮問する任意の機関として「ガバナンス・指名・報酬委員会」を設置し、当社の取締役、監査役および執行役員ならびに関係会社(当社にとって重要度の低い関係会社を除く)の代表取締役、監査役の新任、再任、解任の審議、取締役会への推薦(ただし、当社監査等委員会の新任、再任については当社の監査等委員会の同意を要す)や、当社の取締役(監査等委員である取締役を除く)および執行役員ならびに関係会社の代表取締役の報酬の審議を行っています。なお、当委員会は過半数を独立社外取締役で構成することとしています。
各機関と構成員
役職名 | 氏名 | 取締 役会 |
経営 会議 |
監査等 委員会 |
ガバナンス・ 指名・報酬委員会 |
内部統制 委員会 |
ESG推進 委員会 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
代表取締役社長 社長執行役員 |
小島 和人 | 〇 | ◎ | 〇 | ◎ | ◎ | |
取締役常務執行役員 | 神谷 忠史 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
取締役常務執行役員 | 横手 敏一 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
取締役常務執行役員 | 久保田 浩司 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
社外取締役 | 内野 州馬 | ◎ | 〇 | ||||
社外取締役 | 髙木 敦 | 〇 | ◎ | ||||
社外取締役 | 関 葉子 | 〇 | 〇 | ||||
社外取締役 | 森本 英香 | 〇 | 〇 | ||||
取締役 (監査等委員) |
中村 正人 | 〇 | ◎ | ||||
取締役 (監査等委員) |
榊原 一夫 | 〇 | 〇 | ||||
取締役 (監査等委員) |
日岡 裕之 | 〇 | 〇 | ||||
取締役 (監査等委員) |
若松 弘之 | 〇 | 〇 |
〇…設置機関の構成員、◎…設置機関の長
上記に加え、監査等委員である取締役、会計監査人および内部監査室が相互に連携をとり、実効性のある監査を行うことによりコーポレート・ガバナンスの充実に努めております。
監査等委員会
当社の監査等委員である取締役は現在4名(うち3名は社外取締役)で構成されています。監査等委員である取締役は、監査等委員会が定めた監査方針・監査計画に従い、ガバナンスの実施状況の監視、取締役会その他重要な会議への出席、重要な決裁書類の閲覧および事業所の往査を実施しており、また、会計監査人および内部監査部門と連携をとるなど、実効性ある監査により取締役の職務執行の監査に努めています。
子会社については、子会社の取締役および監査役などと、グループ経営会議、グループ監査役会などにおいて情報交換を行い、連携を図っています。弁護士である監査等委員である社外取締役1名および公認会計士である監査等委員である社外取締役1名を含む監査等委員である社外取締役は、いずれも独立した立場から情報の入手と提供を行い、外部の視点からの監視に努めています。
一方、常勤監査等委員である 取締役役は当社における豊富な経験に基づき、業務に精通した立場から監視を行っており、それぞれの立場から監査の実効性を高めています。
内部監査
社長直轄部門として内部監査室(スタッフ10名)を設置し、内部監査規程に基づき、独立した立場から業務運営の適正性や効率性に関して計画的に業務監査を実施しています。子会社については必要に応じて情報交換などを行っています。内部監査室は、監査結果を代表取締役社長に報告するとともに、必要な措置および改善の実施状況の確認を行っています。また、当社および重要な連結子会社の財務報告に係る内部統制の運用状況の評価を行っています。監査等委員である取締役および会計監査人と連携を図り、効果的な内部監査の実施に努めています。
会計監査人
当社の会計監査業務は、有限責任あずさ監査法人に所属する公認会計士2名により執行されています。
当該業務を執行する社員のローテーションは、適切に実施されており、連続して7会計期間を超えて監査業務に関与しておりません。なお、その補助者は公認会計士7名、その他16名です。
代表取締役社長の後継者計画
代表取締役社長による後継者への承継の透明性及び客観性を確保するため、代表取締役社長後継者計画において、後継者の育成方針や育成計画、その進捗状況等をガバナンス・指名・報酬委員会に報告し、審議を行うこととしています。代表取締役社長はその交代に際し最適と認める者を後継候補としてガバナンス・指名・報酬委員会に発議し、同委員会において審議した上、審議結果を取締役会に報告するものとしています。
取締役会全体の
実効性の分析・評価
取締役会の有効性・実効性を担保するために、毎年、各取締役の自己評価に基づき取締役会の実効性評価を実施しています。各取締役は、「自己評価表」に基づき自己評価を行い、その結果については、代表取締役および社外役員が協議をしたうえで、取締役会で分析・評価しています。
2022年度の当該分析・評価の結果の概要は次の通りであり、取締役会全体の有効性・実効性は確保されているものと判断いたします。本結果を踏まえ、さらなる取締役会の監督機能および意思決定機能の向上に努めてまいります。
- 取締役会の傘下にある経営会議および内部統制委員会、ESG推進委員会にて更なる審議の充実を推進した結果、取締役会の責務である実効性の高い監督とリスク管理体制の適切な整備は、継続して果たされていることが確認されました。
- 取締役会において自由闊達で幅広い建設的な議論が行われ、十分な検討が行われている等、活性化していることが認められました。また、経営会議等への権限移譲をより一層進め、取締役会としては執行状況のモニタリング機能を強化しつつ、中長期的な経営の方向性や後継者計画、内部統制システムに関する議題に集中し、より多面的な議論を一層充実させていくべき、との意見が存しました。
- また、社外取締役の会議出席や支店巡回等により社員との対話機会は増加しており、今後も社内・社外役員間の情報共有の場や機会の更なる拡大を図り、相互の意見交流を一層活性化すべき、との意見が存しました。
役員トレーニング
取締役に対する
トレーニングの方針
取締役に求められる知識は、当社の事業・財務・組織等に関する当社特有の知識と、取締役に求められる役割と法的責任を含む責務といった一般知識に大きく区別できると考えております。
業務執行取締役は、毎年、経営課題検討会による議論等を通じて、当社の事業・財務・組織等、全般に関する理解深耕に努めております。また、業務執行取締役および監査等委員である社内取締役は、社外専門家による研修を受講すること等により、業務執行取締役または監査等委員である取締役に求められる役割と責務の理解に努めております。
社外取締役に対しては、就任の際および必要に応じて、当社の事業・財務・組織等に関する説明を行うこととし、当社の社外取締役として必要な知識の習得を促し、その求められる役割を果たしうる環境の整備に努めております。
また、個々の取締役に必要な知識の習得や適切な更新等の機会の提供・斡旋、ならびに必要費用の支援を行っております。なお、業務執行取締役および監査等委員である社内取締役については、トレーニングの状況を定期的に取締役会において確認することとしております。
役員一覧
役員一覧は、下記よりご覧いただけます。
役員報酬
取締役の報酬については、株主総会の決議により取締役(監査等委員である取締役を除く)および監査等委員である取締役のそれぞれの報酬等の総額の最高限度額を決定しております。
当社は、役員報酬に関する独立性・客観性・透明性を高めるために、任意の諮問機関としてガバナンス・指名・報酬委員会(これまでの指名報酬委員会を改称)を設置しており、当該委員会における審議を経て、取締役会の決議により取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬等を決定いたします。
当社の取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬等については、当社の事業を中長期的に成長させ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上していくことを目的として、コーポレート・ガバナンスを巡る動向や外部専門機関による調査データ、他社の報酬水準などを考慮のうえ、健全なインセンティブ(動機付け)の一つとして機能する報酬制度とする方針を決議しており、具体的な水準はガバナンス・指名・報酬委員会における審議を経て、取締役会の決議により決定します。
取締役(監査等委員である取締役および独立社外取締役を除く)の報酬構成は、基本報酬、短期(年次)インセンティブとしての賞与、および中長期インセンティブとしての株式報酬制度(役員報酬BIP信託)とし、当社の役員の個人別の報酬の内容に係る決定方針を考慮した構成割合を設定しております。
なお、独立社外取締役については、基本報酬のみとし、賞与および株式報酬制度(役員報酬BIP信託)はございません。
基本報酬は、役位に応じて決定される固定報酬としており、毎月一定額を支給しております。
賞与については、単年度業績目標達成などへの士気向上を目的として、前年度の業績および役員個人の定性評価(個人別目標達成度合い、後継者育成、企業価値向上、SDGsへの取組、取締役会活性化およびコンプライアンス)に応じて、役位別の基準額に対して変動する仕組みとしました。
また、株式報酬制度(役員報酬BIP信託)は、中長期的な業績向上と企業価値向上への貢献意欲などを一層高めることを目的としており、役位に応じて毎年ポイントが付与され、退任時に累計ポイント相当の当社株式が交付されます。業績指標の目標値に対する達成度合いに応じて変動する設計です。
業績指標には、財務指標としての連結売上高、連結経常利益、連結ROEなどに加え非財務指標としてCO2排出量などを設けています。執行役員の報酬についても、取締役(監査等委員である取締役を除く)と同様に、基本報酬、短期(年次)インセンティブとしての賞与、および中長期インセンティブとしての株式報酬制度(役員報酬BIP信託)により構成され、ガバナンス・指名・報酬委員会における審議を経て、取締役会の決議により決定します。
なお、取締役(監査等委員である取締役および独立社外取締役を除く)および執行役員は、役員持株会を通じて、任意拠出により、当社株式の取得に努めています。
監査等委員である取締役に対する報酬等については、基本報酬のみとし、各監査等委員である取締役の基本報酬の額は、各監査等委員である取締役の職務の内容・量・難易度や責任の程度等を総合的に勘案し、監査等委員である取締役の協議により決定いたします。その職務等に鑑み、監査等委員である取締役に対する賞与および株式関連報酬はございません。
取締役の報酬構成のイメージ
役員区分ごとの報酬等の総額、
報酬等の種類別の総額および
対象となる役員の員数
区分 | 報酬等の 総額 (百万円) |
報酬等の種類別の総額 | 対象となる 役員の員数 (名) |
||
---|---|---|---|---|---|
基本報酬 (百万円) |
業績連動 報酬等 (百万円) |
非金銭報酬等 (株式報酬) (百万円) |
|||
取締役 (社外取締役を 除く) |
306 | 191 | 56 | 58 | 6 |
社外取締役 | 70 | 70 | - | - | 7 |
監査役 (社外監査役を 除く) |
54 | 54 | - | - | 3 |
社外監査役 | 39 | 39 | - | - | 4 |
合計 | 471 | 355 | 56 | 58 | 20 |
内部統制システム
業務の有効性と効率性及び信頼性の確保を図り、業務の適正を確保することを内部統制システムの基本的な考え方としております。当社企業集団(当社を含め、以下「当社グループ」と称す)についても、各企業の規模・事業特性とそれに伴うリスクの状況等を踏まえて、業務の適正を確保してまいります。
また当社は、内部統制委員会を設置し、当社グループの内部統制システムの整備を横断的に推進します。
財務報告に係る内部統制
当社および重要な連結子会社の財務報告に係る内部統制の運用状況の評価を行っております。監査役および会計監査人とも連携を図り、効果的な内部監査の実施に努めております。