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アルミ冷媒配管システム

8 働きがいも経済成長も

9 産業と技術革新の基盤をつくろう

12 つくる責任つかう責任

13 気候変動に具体的な対策を

特許 第7079618号、特許 第7197319号、
特開 2020-063791号、特開 2020-190381号

特長

  • カーボンニュートラル社会実現への貢献
    電気自動車等の普及に伴う銅需要への対応として、冷媒配管を銅からアルミ素材に置き換える事で、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していきます。
  • 冷媒配管工事の施工効率向上
    アルミ管の重量は銅管の3分の1と軽量であるのに加え、窒素置換が不要などの理由により、銅管での施工に比べ施工時間を約20%短縮できます。
  • コストメリット
    配管の費用は銅と比べて約10%低減できます(機械式継手は、銅と比べてほぼ同じです)。

開発の背景

建設現場における冷媒配管工事でこれまで主流であった銅配管と比べ、質量が3分の1と軽量かつ廉価で、リサイクルが容易なアルミ冷媒配管の採用について研究を重ねてきました。

アルミメーカとアルミ配管の仕様を定めるとともに、アルミ冷媒配管用の機械式継手を東尾メック株式会社と共同開発しました。また、アルミ冷媒配管用の分岐管継手を、株式会社ベンカンと共同開発しました。そして、これまで建築現場で難しいとされていたアルミ配管のろう付を、アルミ用ろう材の選定とろう付施工要領の確立および、ろう付作業を支援するアプリケーションにより可能としました。

  • アルミ冷媒配管用ろう付工法の手順をスマートフォンのアプリケーションとした音声ガイダンスシステム

冷媒配管の材質を銅からアルミに代える事で、
2050年カーボンニュートラル社会の実現に貢献

本システムは、アルミ冷媒配管(写真-1)、アルミ冷媒配管用機械式継手(写真-2)、アルミ冷媒配管用分岐管ユニット(写真-3)、アルミ冷媒配管用ろう付工法(写真-4)で構成されています。当社は、ビル用マルチ空調システムにおいて、本システムの一層の実用化を図ることで、カーボンニュートラル社会の実現に貢献、また冷媒配管工事の施工効率向上に取り組んでまいります。

  • 冷媒配管により、1台の室外機と複数の室内機(異容量・異電源)を繋ぎ、個別運転できる空調システム
写真-1 アルミ冷媒配管
写真-2 アルミ冷媒配管用機械式継手の施工
写真-3 アルミ冷媒配管用分岐管ユニット
写真-4 アルミ冷媒配管用ろう付工法

全国9箇所で
フィールド検証を実施

気候や空調機の運転パターンが異なる全国9か所(秋田、山形、埼玉、東京、神奈川、兵庫、鳥取、長崎、沖縄)の地区事務所や仮設事務所の空調設備にアルミ配管を導入し、フィールド検証を積み重ねてきました。

これらに設置した配管の長さは延べ1,800mを超え、約3年間の検証においても支障をきたすことなく稼働を続けています。

実建物への導入

実績の代表例として、当社グループ会社の日本設備工業株式会社札幌支店での空調用設備更新に合わせ、2017年10月に全ての冷媒管にアルミ配管システムを導入しました。また、株式会社ヤマト殿が施工した「アイテク新社屋新築工事」において2018年6月に協働で空調設備にアルミ冷媒配管システムを導入し、更に当社の大阪支店と協働で、2018年12月にかんき株式会社の本社屋改修工事において、空調設備にアルミ冷媒配管システムを全面的に導入しました。

本空調設備の施工実績を通じて、施工上の知見の蓄積や技術の高度化に取り組んでおり、冷媒管等のオールアルミ化を推進することで当社施工現場の省力化とカーボンニュートラル社会の実現に貢献します。

写真-5 日本設備工業株式会社 札幌支店
写真-6 株式会社アイテク 新社屋
写真-7 かんき株式会社 本社屋

「第36回優良省
エネルギー設備顕彰」
にて特別賞を受賞

写真-8 特別賞の記念品

一般社団法人日本冷凍空調設備工業連合会(東京都港区、鳥波益男会長)が主催する「第36回優良省エネルギー設備顕彰」において、当社の「アルミ冷媒配管システムの開発」が同会長特別賞を受賞しました(写真-8)。

本連合会では毎年、省エネルギー意識の普及と向上のために省エネ性に優れた冷凍空調設備を優良省エネルギー設備として顕彰しています。本受賞は、今後の社会的変化によって、従来通り銅管を使用することが困難になることを予測し、材質や工法を変更することで、関連技術の開発・広報をしていることや、業界全体として取り組んでいること、冷凍空調設備施工に対する影響が大きいことなどが評価されました。

一般社団法人
アルミ配管設備工業会(APEA)
での委員会活動と成果

当社は、一般社団法人アルミ配管設備工業会(APEA)での活動を通じて、アルミ冷媒配管の普及に取り組んでいます。
以下は取り組みの一例です。

  • アルミ冷媒配管の規格「APEA1001:2021冷媒被覆アルミ二ウム合金管」を改訂しました。
  • アルミ冷媒配管の技術書「APEA3001:2022冷媒用被覆アルミ二ウム合金管_施工指針」を改訂しました。
  • APEAテクノロジーセミナーで以下の3テーマを発表し、うち2テーマについてAPEA会員サイト内で公開しました。
    「アルミ冷媒配管と銅冷媒配管との施工検証」
    「アルミろう付工法に関する施工上の留意点」
    「アルミ冷媒配管システムにおける配管の設計(1)」

関連リンク

プレスリリース「作業性の高い冷媒配管接合工法を開発」(2012年11月20日付)(550KB)

プレスリリース「アルミ配管用の機械式継手「アルミおっぞんくん」を共同開発」(2017年12月5日付)(419KB)

プレスリリース「アルミ冷媒配管用分岐管ユニットを共同開発」(2018年10月19日付)(547KB)

プレスリリース「業界初、施工現場でのアルミ冷媒配管用ろう付工法を開発」(2019年4月4日付)(704KB)

エルブレイズ®工法(局所窒素置換工法)